浜松にある 篠場瓦窯から出土され復元された鴟尾(しび)が一般公開されるそうでう。 以下朝日新聞記事より
県埋蔵文化財調査研究所は4日、7世紀末ごろの白鳳時代の遺跡「篠場瓦窯(しのんばがよう)」(浜松市浜北区根堅)から出土した、約1300年前の鴟尾(しび)を復元し、報道陣に公開した。鴟尾の復元例は全国でも20例ほどしかなく、今回の復元は東海地方で3例目。国内では最も東の復元例だという。
鴟尾は寺院の屋根の端を一対で飾っていたもので、しゃちほこの原形とされる。魔よけなどの意味が込められていたと見られる。
篠場瓦窯は瓦や鴟尾を焼く窯があった遺跡で、第2東名高速の建設事業に伴い調査を実施。焼き損じの瓦などを捨てる灰原から鴟尾の破片が複数発見され、昨年10月から今年2月にかけ、復元作業を行った。
復元された鴟尾は高さ132・5センチ、基底部は長さ94センチ、幅52センチ。全体の重さは200キロ以上あったとみられる。部位が特定され、復元に使用した破片は全体の約20%程度だ。
発見された破片には、窯で焼く前に乾燥してできた亀裂を粘土で埋めたとみられる修復の跡や、成形する際に枠組みとして使ったとみられる竹の跡などがみられた。また、焼いている最中に入った亀裂もあり、完成には至らなかった失敗作だと考えられるという。
同研究所は「鴟尾の全体像や製作時の様子が分かる貴重な発見だ」としている。
鴟尾は全国で300例ほど出土しているが、ほとんどが破片。東海地方の復元例は三重県の辻垣内(つじがいと)瓦窯の2体があるだけで、国の重要文化財に指定されている。
復元された鴟尾は6日から県立美術館の県民ギャラリーで開かれる「埋蔵文化財展 発掘された仏教遺跡・遺物」で公開される。
朝日新聞のマイタウン静岡より記事を掲載しております。