平成17年に屋根の葺き替え工事をさせて頂いた東京都大田区南千束の文化庁 登録有形文化財の妙F寺祖師堂(旧七面大明神堂)に行ってきましたので写真を撮ってきました。
登録有形文化財の登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代等の文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作られたものです。
これは届出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じる制度であり、従来の指定制度(重要なものを厳選し、許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完するものです。(文化庁より)
妙福寺は、洗足池の東池畔に位置し、寺伝によれば、日蓮聖人が
池畔の松に袈裟を掛けて、手足を洗い休憩した地を霊場として、御松庵として開創されたという。昭和二年(1927)に浅草にあった妙福寺と合併し、今に至っている。
このお堂は、天保四年(1833)に、七面大明神堂として再建されたが、後年、現位置に移築し、現在は祖師堂として使用されている。
正面向拝部分は、昭和に増築した部分だが、他の部分は内外共に改造跡は見られず、江戸後期の寺院建築様式を伝える遺構として貴重な建築物だと思う。
今回は門の工事で御世話になりました。瓦は簡略本葺型で仕上げました。本葺瓦は簡略式の1.5倍の重量がある為門での使用はかなりの荷重が門にのしかかります。
ルーフィングの状態
パッキンをのし瓦の間に入れて築地工法で作業を行います。次の写真でも分かるように、弊社では曲線の多い社寺建築では熨斗瓦は常に曲がっているてり熨斗を使用します。てり熨斗を使用する事によって、曲線の建物をさらに瓦で曲線美を追加していきます。
熨斗瓦と熨斗瓦の微妙なつなぎ目この継手の隙間が遠くから見たときに真っ直ぐに見えます。
完成しました。