藤枝市にMA寺で唐破風屋根の改修工事にお世話になりました。こちらの本道には唐破風があります。この唐破風と本道との取り合い部分に永い年月による経年変化の改修箇所があったため、藤枝市にある社寺の建築のTs工務店さんの元修理させていただきました。また梅雨のなか工程管理や予算管理など、的確に行う姿を拝見させて頂いて現場監督さんも大変なお仕事だなと思いました。
今回の工事は写真にある谷樋部分などに腐食していた箇所があった様で、谷部分、唐破風を一度解体し、新たに新しい谷などを新設します。
下写真のように雨が入った様な後が残っています。宮大工さんが交換します。 いぶし銀は美しいですね!さて唐破風は、日本特有の形式で、切妻のむくり屋根の先に曲線を連ねた形状の破風板が付けられています。古いものは勾配が緩やかで、新しいものは勾配が急になり平安時代には既に同様のものがあったと考えられております。
現存する最古のものと考えられているものでは、石上神宮(奈良県)の摂社出雲建雄神社の拝殿(鎌倉時代)のものなどがあり城郭建築や、近世の寺院などで多く見られ、装飾性があります。邸宅や役所の玄関としてつけられることもあり、首里城正殿の通称「からふぁーふ」は正面玄関に唐破風が付けられていることから由来しています。
唐破風には向唐破風と軒唐破風の2つの形式があり 向唐破風(むこうからはふ)は、出窓のように独立して葺き下ろしの屋根の上に千鳥破風のようにして造られるそうです。Wikipediaより
唐破風には向唐破風と軒唐破風の2つの形式があり 向唐破風(むこうからはふ)は、出窓のように独立して葺き下ろしの屋根の上に千鳥破風のようにして造られるそうです。Wikipediaより
宮大工さんが破風板を納めております。破風は現寸図によって予め加工されておりました。現場での作業は納めるのみですが素晴らしい技術です。
唐破風の曲線部分は雛壇式に加工してもらいました。雛壇式にする事によってルーフィングの収まりや掛け瓦の勾配調整が容易になります。
谷樋は銅板からステンレスに板金屋さんが入れてくれました。
近年酸性雨の影響で銅板に穴が開いて雨漏りする現象が多数見受けられます。昔よりかなり雨の酸がひどいのでしょか?酸性雨の主成分は主に硫酸イオン(SO42-)、硝酸イオン(NO3-)及び塩素イオン(Cl-)であるらしく、およそ4:2:1の割合で存在しているようです。