なぜ被災地での屋根工事が進まないのか

東日本大地震にてなぜ被災地での屋根工事が進んでいないのかというご質問を多々頂きます。

静岡県中部地方を襲った1昨年にも、同じことがありました。

理由は、多々あります。

①過剰な受注件数

  屋根工事業者は、一般の方が思っている以上に存在しているのではないでしょうか。しかし、親子でやられていたり、夫婦でやっていられたり、といった業者がかなり多いです。そのような業者に何百件という受注がいっきに来ているのです。数年分を一度に受注してしまった感じです。当然工事が進んでも進みきれない原因の一つです。

 

②他県職人の確保

  やはり、被災地業者の確保している職人だけでは、人手が足りないのが現状です。なので他県から職人を借りてくるしかありません。しかし、①の通り、どの県でも少人数でやられてる業者が多いので、すぐに被災地に行きたくても、自県での仕事があって行けなかったり、また、受け入れ側業者が来てくれる業者の宿泊場所の確保や、単価の設定や燃料の確保等、いろいろ手間がかかります。それを「工事はまだですか?」等の電話がひっきりなしにかかってくる間にやらなければならない状態です。事務員を雇ってる業者であればいいのですが、奥様が事務員の業者がほとんどなので難航するのは察しが着きます。

 

③養生優先

 工事の前にしなくてはならないのが、養生です。とりあえず雨が漏らないようにブルーシートをかけておきます。そして屋根に散乱した瓦が落下し、下にいた人、車等に当たり二次災害を防止しなくてはなりません。その作業だけでも数時間かかります。何百件の受注件数をそうして回らなければならないので、工事着工まで時間がかかってしまいます。

 

④資材不足

 東日本大地震では、メディアでの報道の通り、建築系資材が多々不足しており、瓦業界でも資材不足は深刻であります。瓦を結束するのに用いるエナメル線(ホルマール被覆銅線・ポリエステル被覆銅線)が現在出荷されていないらしく、入手が大変困難になっております。その他、瓦を固定するなんばん漆喰も工場のキャパシティを上回る受注により、品薄状態が続いております。そうした必要な材料が揃わなく、いざ工事したくても着工できない現状もあると思います。

 

などなど、様々な原因が重なり、工事の着工が遅れてると思います。被災地域の業者もこのような災害による仕事量の肥大化は想定しておらず、対応に不慣れな部分が多いと思います。

 

被災地域の業者は、ひとつの物件でも早く工事をしたいと思って一生懸命がんばっていると思います。しかし、問い合わせの電話がなりっぱなしで、工事に集中できないこともあります。必要以上な電話は控えていただき、可能な限り業者を信じて待っていただければと思います。

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